便所、悪女、便所

neko-vs2007-06-26

北野武監督作品『3-4×10月』を観た。『その男、凶暴につき』に続く第2作目。1990年公開。

暗闇、静寂、日常、暴力、野球、狂気、正気、・・・あらゆる解釈、説明、形容を寄せ付けない。しかし、確実に“何か”を感じる映画。それが何なのかわからなければわからないほど、もう一度観たくなる。そんな中毒性を持った映画。

劇中に音楽が一切使われていないにも関わらず、そのことに映画を観ている最中は全く気付かなかった。必ずしも映画にとって音楽は必要不可欠ではないことをこの映画は証明して見せた。

観た人にしかわからないが、“『悪女』のカラオケ”のシーンが強烈に印象に残った。あんな映像は初めてだ。音楽が全く無い映画だからこそ、突然聴こえてくる中島みゆきの名曲のメロディーが印象的だったというのもあるかもしれない。しかし、それだけではなく・・・・と、これ以上説明することはできない。百聞は一見にしかず。観てみなきゃこのスゴさはわからない。

元ヤクザを演じたガダルカナル・タカさんがかっこよかった。初々しさ溢れる石田ゆり子さんもよかった。あえて脇役として出演したたけしさんは相変わらずの愛嬌と狂気を振り撒いていた。
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