火の三日間

ここ三日間で、4曲、ベースでオーバーダビング。

サードアルバムまでとは全く違ったベースプレイになっている。この変化はテクニックが向上したから起こったのではなく、自分の中にある“蓄積されたもの”が増えたからだろう。

これまでは「ベースはシンプルで」という一線を引いていたのだが、今回はそれを完全に打破していこうと思う。いや、そんなことを意識する必要は無い。意識などせずとも、すでにシンプルとは呼べないアイディアが勝手に湧き出てきている。

しかし、複雑化、多様化していくアイディアに自分のテクニックが追いつかなくなってきているところもあり、録音に何テイクも費やし、時間がかかってしまう事態が起こりつつある。今までは“やりたいこと”と“できること”が一致していたが、それが段々とズレてきているのを感じる。

これまでギターとベースに関しては、練習と呼べる練習を全くしてこなかった。弾きたいと思ったときに弾きたいように弾いてきただけだった。そして多分これからもずっと。

ちなみにイチロー選手はオフシーズンの練習を“遊び”だと思うことでプレッシャーをうまくコントロールし、毎年結果を出し続けているのだという。気分次第で練習をサボることもあるそうだ。才能だけに頼ることなく、自分に厳しく、技術と肉体を鍛え続けてきた“努力の人”イチローが編み出した「自分を追い詰めすぎない」という逆説的な練習法だ。

しかし、俺が練習をしないのは、単にめんどくさがり屋だからだ。