ナイチンゲールと薔薇の花/事件
7月30日(月)
自分の幸福観・幸福論を述べよというレポートに対し、妙に力が入り、2000字程度でいいというのに4000字くらい書いてしまった。イギリス文学の課題だったので、オスカー・ワイルドの短編童話『ナイチンゲールとばらの花』を扱いながら自分の幸福観を論じた。『幸福の王子』と同じくらいこの話は好きだ。初めて読んだ時は泣きそうになった。自己犠牲と愛、そして幸福と死。
「恋は哲学より賢いですもの、
哲学も賢くはありますけど。
そしてまた権力よりも強いですもの、
権力も強くはありますけど。
恋の翼が炎色なら、
恋の体も炎のような色をしています。
恋のくちびるは蜜みたいに甘く、
その息は乳香のようです。」
と語るナイチンゲールが命を捧げた学生は
「なんてばかばかしいんだ、恋なんて。」
と吐き捨てる。
とても短い話なので機会があったら読んでみてください。
ベース録音1曲。
7月31日(火)
世界で最も美しい絵を描く漫画家/イラストレーターの一人である丸尾末広先生の原画の抽選販売に当選した。かなりの競争率だったはずだが、幸運はやって来た。今日はそのブツが届いたのだ。
原画というのはもちろん、先生の手で描かれたこの世に一枚しかない絵のことである。ちなみに俺が入手したのは荒俣宏の小説『帝都物語』の挿絵として使われたものである。画題は『姐さん事件ですよ』。
封筒から取り出してはみたものの、直接触れるのは恐ろしくて、原画を包むビニール袋からは取り出すことはできなかった。それに、この仮住まいにこんな崇高なものを飾る気にはなれない。いつか、ちゃんと定住する場所が決まったら、額に入れて飾ろう。