紅いメガネ

10月12日(金)

CSのチャンネルNECOで放送された押井守監督実写映画『紅い眼鏡』を初めて観た。押井守監督の初実写映画『紅い眼鏡』20周年スペシャルとして“ケルベロス・サーガ”シリーズの作品である『紅い眼鏡』、『ケルベロス−地獄の番犬』、『人狼 JIN−ROH』が放送されるのだ。中でも、『人狼』以外の実写作品はまだ観てなかったので嬉しい限りだった。

唯一無二の個性と超人的声量と底知れぬ演技力と抱腹絶倒のアドリブで人間国宝級の存在となっている声優、千葉繁さんの主演映画だ。もともと俳優でありスタントマンである彼の魅力が爆発している。鍛え上げられた肉体美(シャワーシーン)や迫力満点の格闘シーン(決め技は電気アンマ)など、見所満載である。

千葉さんの他にも鷲尾真知子さん、田中秀幸さん、玄田哲章さん、兵藤まこさん、永井一郎さん、古川登志夫立木文彦さん、平野文さん(声のみ)などの声優が出演しており、この点からもこの作品が極めて実験的な映画だということがうかがえた。また、声優だからこそ可能な押井さんの脚本独特の長台詞は、真面目なことをクドクドと言っているのに笑える、という不思議な魅力を放っている。

一見、ガン・アクション有りのシリアスな映画なのかと思えば、ギャグがいたるところに散りばめられており、笑ってばかりいると、また例の“哲学的テーマ”が顔を出し、観る者に油断を許さない。

千葉さんだけではなく、やりたい放題の押井さんの魅力もいっぱい詰まった映画だ。かなり好きになった。繰り返し観たくなる映画だ。1987年公開の作品なのだが、2005年公開の北野武監督の『TAKESHIS'』に似ている部分がいくつかあった。どこら辺が似ているかは観た人しかわかりません。

10月14日(日)

押井守監督実写映画『ケルベロス−地獄の番犬』を観た。初めて観た。

台湾ロケによってカメラに収められた静かで殺伐としている情緒溢れる風景が大きな魅力だ。人々に忘れ去られた廃墟もその美しさを際立たせている。『紅い眼鏡』とは違い、大量の言葉で畳み掛けるのではなく、静かに流れていく時間と静寂と風景に物語を語らせる映画なのだと思った。

もちろん、銃撃戦も有りなので、廃墟ファンだけでなく、ガン/ミリタリー・ファンも楽しめる映画だと思う。

10月15日(月)

アゴなしゲンとオレ物語』の最新26巻を読んだ。この巻はお下劣な下ネタはわりと抑え目で、味わいのあるストーリーが多めだ。

アヴァンギャルド・アート漫画。21世紀人類推薦図書。