咬文嚼字

 ドラマ、アニメ、お笑い、クイズ、音楽・・・、テレビ番組の様々なジャンルの中で今活気があるのは、どれなんでしょうか?クリエイティブなのは?バリエーション豊かなのは?真に健全なのは?辛うじて健全といえるのは?比較的健全なのは?“健全”とは何ぞや?

 構成作家高須光聖さんがラジオ『放送室』でこんなことを言っていました―「今クイズ番組が氾濫してるのは、テレビに子守をさせてる親がとりあえずクイズなら子供に見せておいても安心できると思てるからや!」と。俺もこの意見に賛成だ。テレビを“無害”で“潔癖”にしようとする動きが異常なまでに盛んになっている要因の一つに、“子供をテレビの前にほったらかしがちな親”の存在があると思う。自分の子供に、その教育に関心を持ち、積極的に関わろうとする親のいる家庭ならば、いかに暴力的、不道徳、俗悪な番組が放送されていようとも、子供が間違った知識や影響をテレビから受け取る心配は無い、と思いたい。

 「テレビを健全なものに!」というご立派な大義名分の下に行われるクレーム、検閲、規制の根本に実は「子育てめんどくせー。テレビでも見せときゃいいじゃん。」という潜在意識が隠れているのではないか?

 倫理、道徳、常識、人道、健全、正義、利益・・・、あらゆる言葉が欺瞞に満ち、肥大化し、同時に空洞化していく。



 私は比較的幅広い表現が許容されているといえるであろうアニメというジャンルに一縷の希望を持っています。しかし、多くの人が「まともなアニメといえばジブリだけ。それ以外は子供向けと“萌えぇ〜”と“マニアックなオタク用”しかない。」という認識を持っている気がしてならない。