インノケンティウス

一昨日の『とんねるずのみなさんのおかげでした 20周目突入だとよ〜!過去V見てもやっぱりあなたシャープ!SP』を見た。『みなさん』の歴史をVTRで振り返った。笑った。笑った。

「コメディアンになりたい」と言っていた俺の幼少期、とんねるずはヒーローだった。ギャグを真似したりもした。新畑任三郎、近未来警察072、1人紅白ものまね歌合戦、仮面ノリダー・・・。子どもの頃にあれだけ笑えたのだ、今ならもっと様々な笑い(特にセクハラ・下ネタ)が理解できるはずだ。今、また、とんねるずのコントが見たいナァ。


昨日の『爆笑問題のニッポンの教養スペシャ爆笑問題×慶應義塾 2030の衝撃』を見た。90分のスペシャルだ。慶應義塾大学教授と、慶應義塾大生、慶應義塾大学塾長と爆笑問題が科学技術の未来、学問と教育の未来、そして人の心の未来について徹底討論!実に内容の濃い話し合いだった。

「学問とは疑うことだ。」という安西塾長の言葉(福沢諭吉の言葉でもある)と「見えることによって見えなくなるものがある。」という太田さんの言葉が強く印象に残った。と同時に俺もこれらの考えには大賛成だ。

哲学、科学、数学、宗教、文学、芸術・・・これらの分野は本来別々のものではなく、一つのものだったはずだ。そして今、バラバラに専門化している分野を総合的に扱っていかなければならないという状況に多くの人が気付き始めている。この番組では主に太田さんが橋渡し役となって、それらの分野を一まとめにして、様々な分野のエキスパートたちと共に思考を深め、議論を重ね、反論、共感していく。太田さんは特に文学、哲学、映画などの知識を駆使して自分の考えを巧みに表現している。中でも表現や教育についての持論はブレることなく、様々な番組で言葉を尽くして人に伝えようとしているのを度々耳にする。ここまで自分の考えをはっきり持ち、それを表現できる話術と知識、人を飽きさせないユーモア、そして何より表現と知の探求に対する熱い情熱を持っている人間はめったにいない。

たけしさんの後を継げるのは太田さんしかいない。もちろんそれは太田さんのやり方で。

俺はこの番組がレギュラー化してから1回も欠かさず見ている。毎週火曜日23:00〜23:30放送中。「はっきり言ってこんな素晴らしい番組を見ていない人たちの気持ちがわからない、」という稚拙な表現をしたくなるこの気持ちをどうしても理解してほしいとは思わない。


今日の『天才!志村どうぶつ園“さよならパンくん”最後のおつかいSP!!』を見た。

天才チンパンジー、パン君最後のおつかい。相棒ブルドッグ、ジェームズとの熱い友情に感動。

ところで、俺は動物絡みのVTRで涙ぐんでしまうことが多い。(もちろん、ベッキー柴田理恵ほどではないが。) それは何故か。

俺は動物にある種の純粋さ、無垢さ、無邪気さを感じているのだと思う。それは無償の愛であり、いわゆる“イノセンス”なのかもしれない。そのイノセンスは我々人間にも無いことはない。しかし、子供の頃には持っていたはずのそのイノセンスを人は成長と共に失ってしまう。地球を破壊できるまでの科学技術を生むことになった高度な知恵と引き換えに差し出してしまったのだろうか、そのイノセンスを。

パン君の澄んだつぶらな瞳、全身で喜びを表現する様子、初めて会った人にも抱きつく人懐っこさ、志村園長との別れ際に発する惜別の嗚咽・・・、それらの純真無垢な姿に、人間が忘れてしまった何かが見て取れるような気がするのだ。

パン君だけではない、犬にも猫にも、人は惹きつけられずにはいられない。人間の欠けた心を彼らの心で補完するかのように。