タテタカコ「敗者復活の歌」ツアー

neko-vs2008-06-09

6月8日(日)

 博多百年蔵へ、タテタカコさんのライヴを見に行った。最高の場所で最高の歌とピアノを味わえる、最高の時間だった。ちょうど1年前にここへ彼女を見に来た時は整理番号が3番だったので余裕で最前列真ん中をゲットしたものだったが、今回は23番だったので、2列目真ん中が精一杯だった。とはいえ、目の前3メートル足らずの近距離でタテさんの歌が聴ける、地球に生まれてよかった。

 タテさんがいつも歌う前に行う柔軟体操と深呼吸息を始めると、会場の空気が一気に緊張感に包まれ、一切の音が消え、静まり返る。そしてタテさんが「スゥッ」と息を吸って鍵盤をタッチすると、ピアノ線から発せられた音が空気を伝って会場に広がる。息を呑んで歌声に聴き入る人々、そして俺。歴史ある酒蔵を改造して作られたこの部屋までもが彼女の歌に聴き入っているかのようだ。

 観客に対して斜めに背を向けて演奏するタテさんの手元がよく見える。その指の動きに目が釘付けになる。タンポポの綿を優しく包むような柔らかなタッチから、岩を砕き地面を割るような力強いタッチまで、自由自在に繰り出される音のさざ波&津波

 数ある曲の中でも屈指の激しさを誇る『手の鳴る方へ』では、CDのテンポの1.6倍はあろうかというかなり速いテンポで思いっきり弾きまくっていた。かっこよすぎ。おそらく演奏難易度も高い方であろうこの曲をあれだけのスピードとパワーで弾きこなしてしまう小柄なピアノ戦士、タテタカコ

 ライヴ終了後には去年と同じく、握手&サイン会も行われたのだが、俺は翌日のテスト勉強のためにさっさと帰ってしまった。去年、サインも握手もしてもらい、一緒に写真まで撮ってもらったのだから、今回はいいか、と思ったのだ。しかし、今になって考えると、やっぱりサイン&握手をしてもらえばよかったかな、と少し後悔。いやいや、俺はもっとプラトニックに彼女の音楽と生き様を愛し、尊敬しているのだから、そんな物理的・物質的なことは問題じゃないんだ!でもやっぱり後悔。これからタテさんのライヴに行くという方がいらっしゃいましたら、終演後すぐに帰らず待っていれば握手&サイン会が始まりますので、サインしてもらうCDを持って列に並びましょう。

演奏した曲は大体こんな感じ

君は今
宝石
He/]
遠い日
またやっちまいました
冒涜
手の鳴る方へ
人の住む街
えのぐ
ダラケ
あした、僕は
道程
敗者復活
雨は五月に降る時を待つ(eastern youth吉野さんとの共作曲)
+3曲(新曲、カヴァー等)
合計17曲だったと思います


6月7日(土)

 あぶらだこの新譜がやっと届いた!!待ち焦がれていたこの日がとうとう来たのだ!タイトルは『あぶらだこ』!!ジャケットに舟が映っているので通称“舟盤”と呼ばれている。前作から4年振り。

 CDを聴く前に付属の特典DVDに収められた『猫の角』のPVを見た。衝撃。笑撃。意外なことに、変拍子が影を潜め、驚くほどシンプルかつメロディアス。ひとり暴走している伊藤さんのドラムが素敵。大國さんのギターソロがコブシがきいていてかっこいい。そして小町さんのベースラインが頭から離れなくなった。このPV、病み付きになり、すでに15回くらい見ている。

 CDを通して聴いてみれば、やはりあぶらだこ。本人たちでさえ「1曲覚えて演奏できるようになるまで1ヶ月。」といわれる複雑怪奇な楽曲は健在。

 今回は“録音・ミックスにゆらゆら帝国との仕事でも知られる鬼才エンジニア中村宗一郎を迎えた”ということだったので、サウンド面にも注目して聴いてみた。一番目立ったのはやはりドラムサウンドバスドラムの低音がとてもよく出ていて、スネアの響きも申し分無く、俺の好きなタイプのドラムサウンドで嬉しい。

 83年結成のあぶらだこの進化はまだまだ止まらない。


6月9日(月)

 押井守監督作品『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』がリニューアルされるという情報が飛び込んできた!

      • タイトルは『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊2.0』。ハリウッドで行われる実写映画化企画とは別物で、7月12日より劇場公開される。

 リニューアル版では押井守の監修の元、全カットが「最新のデジタル技術」によって新たに制作された。川井憲次による音楽もリミックスされ、『イノセンス』『スカイ・クロラ』で音響制作を担当した、スカイウォーカー・サウンドで編集が行われて6.1ch音声になる。またこのリニューアル版では、人形使いの声に榊原良子が起用された(以前は、女性型義体に男性の声というインパクトを求めて家弓家正が起用されていた)。

 7月12日より、札幌シネマフロンティア、福岡UCIキャナル・シティ、新宿ミラノなんばパークスシネマ、名古屋ピカデリーにて5都市限定公開---

 世界中の映画監督と映画ファンは今頃狂喜乱舞しているだろう。それにしても、かなり映像が変わっているようだ。それに、あの榊原良子さんが人形使いを演じるとどうなるのか、気になる。あらゆる要素が生まれ変わるようなので、非常に楽しみだ。もちろん映画館に観に行くつもりだ。映画館のスクリーンとサラウンドで『攻殻』が味わえる日が来るとは!

スカイ・クロラ』公式HPで予告編が公開中です。
http://sky.crawlers.jp/news/koukaku-ver2.html

 あー、どうでもいい補足情報だけど、オリジナル版で人形使いを演じた家弓家正さんは『風の谷のナウシカ』のクロトワを、リニューアル版で人形使いを演じる榊原良子さんは『風の谷のナウシカ』のクシャナを演じていた。部下のクロトワから上司のクシャナにバトンタッチということですな。