新世紀の中心で、沈没

 8月2日の公開を間近に控えた映画『スカイ・クロラ The Sky Crawlers』の予告編を3人の映画監督がそれぞれ製作した。

 その3人とは、『新世紀エヴァンゲリオン』の庵野秀明監督、『世界の中心で、愛をさけぶ』の行定勲監督、『日本沈没』『隠し砦の三悪人』の樋口真嗣監督である。いずれも押井さんと交流があり、仕事でも関わりあったことのある人物たちであると同時に、非常にメジャーな作品を世に送り出している監督たちである。そんな彼らが各々の解釈に基づいて『スカイ・クロラ』の予告編を製作した。

 三者三様、それぞれの予告編の持つ印象は違っていておもしろい。俺の個人的な感想としては、行定勲監督のものが最も標準的でとてもわかりやすく、映画の魅力を不足無く伝え得るものに思える。庵野秀明監督のものは言葉を用いず映像の音も消し、激しい空戦シーンを中心とした映像と川井さんの音楽だけの予告編となっていて、観客の想像力を掻き立てる作りとなっている。3つの中で最も異質に感じられたのが樋口真嗣監督の予告編で、まるで“ハリウッド製SFアクション超大作”であるかのような過剰に大げさな音楽とテロップによって構成されているのだが、こういった方向性でも予告編が作れるほど『スカイ・クロラ』がエンターテインメント的要素も盛り込まれている映画である証拠だといえるのではないだろうか。さすがに売れっ子映画監督、一般大衆の興味をそそるツボを知っているらしく、宣伝効果の面で言えば樋口監督の予告編が一番かもしれない。

どうぞ3つの予告編を御覧あれ
http://www.gyao.jp/cinema/skycrawlers/